最新ニュース

編集長コラム 『Wellness Business』創刊4号(2026年8月25日発刊号)掲載記事を転載

黎明期から成長期へ

本誌も、0号創刊から1年を迎えました。日本のウェルネス業界が、黎明期から成長期へと移行しつつあることを、日々の取材を通じて肌で感じています。身体や心の健康や美容の枠を超え、暮らしや働き方、まちづくり、地球環境のサステナビリティにまでウェルネスという視点が広がり、事業会社だけでなく、不動産デベロッパーや自治体、投資家からの関心も年々高まっています。

この価値ある業界において、いち早く挑戦を重ねてこられている皆様の取り組みを取材させていただく機会に恵まれたことに、心より感謝申し上げます。そして、その長期的視野に立った、ウェルビーイングを尊重する意思決定に、深い敬意を表します。今後も私たちはメディアという立場から、この業界の発展に少しでも寄与していきたいと思います。

「レジデンシャルウェルネス」――暮らしに広がるウェルネス

今回の第1特集は「レジデンシャルウェルネス」です。ウェルネス業界のなかでも、最も先進的な領域といえるでしょう。ウェルネスビジネスは、ホテルやリゾートなどホスピタリティ業界が先行して発展し、その後、ウェルネス不動産の中でも、コーポレートウェルネス分野に急速に広がってきました。そして今、ウェルネスビジネスは、私たちの日常をよりよく過ごすための事業として、レジデンシャルの領域へと裾野を広げつつあります。

眠りや食事、運動、コミュニティといった日々の営みそのものを再設計する動きは、ウェルネスがもはや非日常の体験ではなく、暮らしの土台になりつつあることを示しています。都市の集合住宅から郊外の高齢者向けの住まい、それぞれの地域のまちづくりまで、住まいという最も身近な場所にこそ、これからのウェルネスビジネスの大きな成長余地があるのかもしれません。特に、高齢化先進国としての日本は、ロンジェビティ(健康長寿)という視点からも、豊かな資産を備えていると言えます。

本号では、世界と日本、それぞれのレジデンシャルウェルネスにおける最先端の取り組みを、現地取材を交えてご紹介します。

アジアが牽引する「ウェルネスツーリズム」

第2特集は「ウェルネスツーリズム」です。日本のウェルネスビジネスにおいて、最も成長が見込まれ、かつ日本の事業者にとって最も伸びしろのある分野ともいえます。

今、世界のウェルネスツーリズム市場では、アジア地域の躍進が注目されています。ウェルネス業界の「ダボス会議」とも称されるGlobal Wellness Summitも、その20周年記念大会が、2026年11月にタイ・プーケットで開催されます。

アジア太平洋地域のウェルネス市場は、コロナ禍前と比べて74%拡大し、初めて2兆ドル規模に達したと報告されています。なかでもウェルネスツーリズムは2024年に31%の成長を記録し、インドやタイ、韓国、中国がその牽引役となっています。

温泉や自然、食文化、伝統的な養生の知恵といった資源に恵まれた日本にとって、このアジアの潮流は、大きな追い風となるはずです。訪日インバウンドの回復とも重なりながら、日本各地の温泉地や地方都市が、世界基準のウェルネスツーリズムの目的地へと生まれ変わる可能性を秘めています。本号では、日本のウェルネスツーリズムが世界のなかでどのようなポジションを築いていけるのか、その可能性と課題を探ります。

2つの新連載と、公式サイトがスタート

本号からは、新連載も2つ加わります。

おひとりは、シックスセンシズのウェルネスブランディングを開発してきたウェルネスパイオニアとして知られ、2026年コンサルティング会社Wahaylaを設立されたアンナ・ビュルスタム氏。世界の最前線でウェルネスホスピタリティを牽引してきたその視点は、私たちに多くの気づきを与えてくれるはずです。もうおひとりは、空間や時間といった目に見えないものの価値を高めるビジネス設計で知られる福島大我氏。独自の感性から、ウェルネスビジネスの新たな可能性を描き出してくださいます。世界と日本、それぞれ異なる視点から紡がれるおふたりの連載は、これからのウェルネスビジネスの展開に、深い示唆を与えてくれます。

そして2026年8月25日、本誌の公式ウェブサイトもプレオープンしました。誌面で紹介しきれない取材の記録や最新ニュース、イベント情報などを、デジタルならではのスピード感でお届けしてまいります。誌面とデジタル、双方から信頼ある情報をタイムリーに発信するとともに、業界内の協創を促してまいります。世界のウェルネス業界の発展と同期しながら、日本のウェルネスビジネスの発展に寄与し、多くの方々のウェルネス・ウェルビーイングの実現に貢献していきます。今後とも『Wellness Business』を、どうぞよろしくお願いいたします。(談)

『Wellness Business』通巻4号(2026年8月25日発行)の内容を見てみる→

Editor’s note

岩井智子

『Wellness Business』編集長
株式会社クラブビジネスジャパン取締役
Global Wellness Summit アンバサダー
World Wellness Weekend 日本事務局長