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1995年にモルディブで誕生したシックスセンシズは、自然と調和するラグジュアリーを軸に、世界各地で先進的なウェルネスリゾートを展開してきた。そのブランドが2024 年、京都に日本初上陸。これまで風光明媚な大自然に囲まれた絶海リゾートや山岳リトリートで培われてきた本格的ウェルネスを、都市型ライフスタイルへと進化させている。京都という伝統と革新が交わる土地で、自然・文化・テクノロジーを融合し、ウェルビーイングの新たな価値を提示している。

都市の中で自然と調和する“自然派ラグジュアリーリゾート”

自然光が降り注ぐロビーラウンジ。京都の四季を感じながら、穏やかな時間が流れる「都市の中のリトリート」

京都駅から車でわずか7分。街の喧騒を離れたその先に、静けさと生命力が同居する空間――「シックスセンシズ京都」がある。

ブランド初の日本展開にあたって掲げたのは、都市型の“自然派ラグジュアリーリゾート”という新たなコンセプト。自然との共生をテーマにしてきたシックスセンシズが、あえて都市という舞台を選んだ背景には、ウェルネスをより身近なものにしたいという意図がある。これまでシックスセンシズが世界各地のリゾート地で提供してきた本格的なウェルネスを、都市滞在型でも楽しめるよう再構築。世界最先端のプログラムと日本の文化的要素を融合し、「自分自身と自然のつながりを感じる」体験を提供している。

ウェルネスディレクターの福田絢子氏は、その体験価値についてこう加える。

「シックスセンシズでは、“Fun & Quirky(楽しく、遊び心をもって)”という精神を大切にしています。ウェルネスは我慢や努力ではなく、心が弾む体験であるべき。自然と遊び心を融合させながら、自分の内側と向き合う時間を楽しんでいただけます。シックスセンシズ京都では“日常がその延長線上にあるウェルネス”を目指しています」

6つの要素で構成される包括的アプローチ

伝統建築の意匠をモダンに昇華した外観。
京都の街並みに溶け込みながら、世界基準のウェルネスを発信する

シックスセンシズのウェルネスは、「Sleep(睡眠)」「Eat(食)」「Grow(成長)」「Spa(スパ)」「Move(運動)」「Mindfulness(マインドフルネス)」という6つの要素から成り立つ。この包括的な考え方は全世界で共通しつつも、それぞれの土地の文化や自然と融合する形で展開される。

「Eat With Six Senses」を象徴する、
旬と地産地消にこだわった朝食メニュー。
自然の恵みを「Less is More」の哲学で味わう。

京都では、まず「Sleep With Six Senses(睡眠)」が象徴的な体験となっている。英国製のオーガニックマットレスや通気性の高いリネン、TENTIALとのコラボによるリカバリーパジャマなど、科学と感性の両面から深い眠りを追求。アロマの香りを選び、時差ボケ対策アプリ「Time Shifter」で体内リズムを整えるなど、細やかなパーソナライズが施されている。

「Eat With Six Senses(食)」の分野では、「地産地消」「天然素材」「Lessis More(少ないことは豊かなこと)」の三原則に基づいたメニューを提供。

「ヴィーガンやグルテンフリーだけでなく、スリープやデトックスを意識した食事を“楽しむ”ことが大切です。お酒やスイーツも、ウェルネスの一部として捉えています」と福田氏。

自社ガーデンで栽培されたハーブや野菜、養蜂による蜂蜜など、自然循環型の食文化が実践されている。さらに「Grow With Six Senses(成長)」は、次世代にウェルネスを体感として伝える要素だ。地下2階のキッズルームでは、身体的・精神的・社会的な成長を促すアクティビティを提供。サステナブルなクラフト作り、文化体験などを通じて、子どもたちは遊びながら自然にサステナビリティとウェルネスを学ぶ。

テクノロジーと感性が融合するパーソナルウェルネス

手足をプレートに置いて機器を接続するだけで約30 種類のバイオマーカーと
10 種類のインジケーターが測定でき、自分の今が客観的に知れる
「ウェルネス スクリーニング」

「Spa(スパ)」「Move(運動)」「Mind fulness(マインドフルネス)」の体験価値を最適化、最大化するのが、世界のシックスセンシズに導入されている「ウェルネススクリーニング」。スウェーデンの会社が開発した測定器で、手足をプレートに置いて機器を接続するだけで約30種類のバイオマーカーと10種類のインジケーターを測定し、心身の状態を数値化する。「テクノロジーを使って“いまの自分”を客観的に見つめることが、真のウェルネスへの第一歩です」と福田氏。研修を受けテストに合格したトレーナーが、その結果に基づき、気軽におしゃべりするようなカウンセリングを通じて、個々に最適化されたスパトリートメントやウェルネスプログラムが提案される。この「ウェルネススクリーニング」システムの導入は、シックスセンシズ京都が日本初で、日本で唯一の施設となっている。

「Spa(スパ)には、京都の文化を取り入れた「ローカルインスピレーション」メニューがある。「阿吽(Ah Un)」は香を焚き、墨で禅の円相を描くリチュアルから始まり、音叉を用いた施術でマインドフルな状態を導く。一方「おまかせ(Omakase)」は、セラピストがその日の心身の状態に合わせて内容を決める。それは、季節に合わせた旬の味を熟練の鮨職人が提供することをモチーフにした、一期一会の体験だ。

天の川を思わせるワッツプール。音と光、波動が織りなす“感情レベルまで働きかける”ワッツ セッション。

「Move:運動」「Mindfulness:マインドフルネス」については、プライベートクラスと、グループアクティビティがある。プライベートクラスは、「プライベートランニングクラス」や「森林浴セッション」「ヨガ」「瞑想」「呼吸法」など。ワッツプールもオリジナルプロトコルで、感情レベルまで働きかけるセッションを提供。天井も天の川をイメージさせるアートが施され、クリスタルボールによる波動にも癒される。

また、毎月6日開催するオープンイベントや、宿泊者でなくとも「Wellness Pass」でウェルネスエリアが利用できるプライベートセッションなど、こうしたプログラムやフィットネスを通じて、ライフスタイルとしてのウェルネスを提案している。

その他にも、人気のウェルネス体験として、「バイオハックリカバリーラウンジ」と、「アルケミーバー」も注目される。

「バイオハックリカバリーラウンジ」では、複数のバイオハッキングツールから選んで、服を着たまま15〜30分でリカバリーが可能。セラピストによるボディトリートメントやフェイシャルとは異なり、テクノロジーを活用して短時間でリカバリーを実現でき、特に観光で多忙なゲストや、「チェックインしてすぐに短時間で回復したい」というゲストのニーズに応えている。人に触られることにストレスを感じる人にも好評で、特別なスキルを持ったセラピストでなくても、レセプションやフィットネストレーナーでも提供できることから、タイムリーにゲストのニーズに応えるられることも喜ばれている。

また、「アルケミーバー」では天然素材を使ったスクラブや歯磨き粉づくりのワークショップを実施し、お土産にできて、レシピも提供している。ワークショップでは、自然素材に触れながらコミュニケーションが生まれることも、心のウェルネスに繋がる体験となる。自宅のキッチンにあるもので簡単につくることができることから、日常にもウェルネスを持ち帰ることができ、ライフスタイルとして継続できることになる。家族や企業のゲストにも人気のウェルネス体験となっている。

チームから広がるウェルネスカルチャー

静寂と緑に包まれてマインドフルネスを実践。自然と一体になり、内なるバランスを整えるひととき。

人材育成にもブランド哲学が貫かれている。シックスセンシズは1995年の創業当初からホリスティックウェルネスを先駆的に打ち出し、他ブランドに先駆けて「スパ&ウェルネス」を体系化してきている。

本社にはスパや東洋医学、ヨガなどの専門家が在籍し、世界各地のセラピストを継続的にサポート。現場ではブランドトレーニングやOJTをこまめに実施。現場密着型の育成を行うことで、日々のゲスト体験の質を支えている。

こうした「本社の定期的な専門的サポート」+「現場でのOJT」の二層構造により、シックスセンシズのウェルネス水準は継続的に向上しているといえる。

また、従業員自身の健康を支える「ミッションウェルネス」プログラムも特徴的だ。

シックスセンシズでは、「従業員が健康で幸せであることが良いサービスの提供に繋がる」として、従業員のウェルネスが、ゲストのウェルネス・ウェルビーイングに繋がると取り組みを進めている。京都では鴨川クリーンナップや東山ハイキングなど、地域と共に楽しむ活動を実施している。

日本における、ウェルネス体験価値創出の課題とは

天然素材を使ったオリジナルスクラブづくり体験。香りと触感を楽しみながら、心のウェルネスにも繋がる。
最先端テクノロジーによる短時間リカバリー。旅の疲れを癒し、心身を最適化するバイオハッキング体験。

これまで30年間にわたり、世界のウェルネスをリードしてきているシックスセンシズにとって、日本のウェルネス市場はどう映るのか。シックスセンシズ京都ウェルネスディレクターの福田絢子氏に訊いた。

「日本のウェルネス市場は特異であり、すでに非常に成熟していると感じます。食文化、人生観や哲学的な考え方、さらには日常生活に根付いた養生の知恵など、国外から見ると十分にウェルネスの要素であるものが、日本人にとっては『当たり前すぎる日常』として意識されにくい傾向にあります。また、健康家電や予防医学的なアプローチも先進的でありながら、それを『バイオハック』とは呼んでいないだけで、実はすでに広く浸透している点も特徴的です。課題として、ここまで成熟した市場という背景だからこそ、インバウンドゲストに響くものと、日本人に新しく響くものの間にギャップが生じやすく、どちらをターゲットにするかで市場が二極化し、結果として特異的かつニッチになりやすいと考えています。さらに、日本ではウェルネス関連の各分野(医療・代替補完医療・栄養・スマートテクノロジー・スパ・フィットネス・マインドフルネスなど)がそれぞれ独立して存在し、それらを包括的に提供する場が極めて少ない点も課題です。海外では、これらをブレンドして一人ひとりに総合的なアプローチを行う「ウェルネス・ディスティネーションスパ」や新しいウェルネス施設が増えており、その違いを強く感じます」

水面に映る光のゆらめきとともに、心身が整う

日本には、温泉や食文化、東洋医学、細やかな気配りを伴うホスピタリティ、日本特有の人生観や哲学など、世界に誇れるウェルネス資源が豊富に存在している。これらを「業態の壁」を超えて統合・連携していくことで、日本独自の包括的なウェルネスモデルを創出できると考えるシックスセンシズ。そのウェルネス体験は、国内の人々にとっても新鮮なものとなり、同時にインバウンドゲストにも響く、日本ならではのウェルネスとして、さらに進化していく。

京都の文化に着想を得たスパメニュー
「阿吽(Ah Un)」。香と音叉が導く、禅のように深いリラクゼーション。

DATA

  • 名称:シックスセンシズ京都
  • 所在地:京都府京都市東山区妙法院前側町431
  • 設計:清水建設(設計・施工)
  • デザイン監修:BLINK Design Group(インテリア・アートコンセプト)
  • インテリア・内装デザイン:BLINK Design Group/平安時代の雅文化・「源氏物語」「鳥獣人物戯画」モチーフなど
  • 施工:清水建設
  • 延床面積:約11,804.44㎡(地上4階・地下2階)
  • 開業:2024年4月23日
テクノロジーと感性が融合するフィットネス空間。壁には平安時代の運動シーンが描かれ、シックスセンシズの哲学「Fun & Quirky」が心地よく場を演出する。
  • 客室数:81室(うちスイート8室)宿泊料金1泊1室約170,000円~(税込・時期変動)
  • 名称:シックスセンシズスパ京都(Six Senses Spa Kyoto)
  • 提携ブランド:Subtle Energies
  • 付帯施設:トリートメントルーム4室(内ダブル1室・シングル3室)、アルケミーバー、ジム、屋内プール、ワッツプール、バイオハックリカバリーラウンジ、温浴施設(お風呂、ドライ・スチームサウナ、水風呂)
  • 料金:
    阿吽(AhUn)」トリートメント(60/90分)32,000/45,000円
    おまかせ(Omakase)(60/90分)32,000/45,000円
    ワッツ(水中ボディワーク)(60分)32,000円など
    バイオハッキングセッション(15分)8,000

Interview

福田絢子氏

シックスセンシズ 京都ウェルネスディレクター

東洋医学への探求心から、鍼灸学の修士号を取得。10年以上にわた
るホリスティックウェルネスの経験を活かし、シックスセンシズ 京
都のウェルネスディレクターに就任。一人ひとりに寄り添うアプロー
チで、ゲストを深いウェルビーイングと、包括的な再生の旅へ導きます。